小麦における有効茎と地下部の発育に関する研究
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概要
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麦類の收量構成要素を大別すると,穂数,1穂当全小穂(粒)数,稔実歩合,千粒重の4つが考えられるが就申穂数は最も早期に決定され且つ收量との間には極めて高い正の相関がみられるので,之を適格に予知する事は收量予想上極めて重要な事柄である事は云う迄もない。然るに之に関する研究は近年かなり盛んに行なわれているが充分に満足し得る成果をあげ得たとは未だ思われない様である。さて,従来の研究は主稈の出葉状況,分げつ発生日・分げつの次位別・草丈率,茎径の大きさ,生葉数等の地上部の生育経過から有効,無効茎の分岐過程を明らかにせんとしたものが割合多く見られるが地下部の発育と地上部の生育過程を関連づけて,有効,一無効茎の分岐過程を究明したものは少い様である。そこで筆者は,この点から検討を加える事に依り有効茎の早期予測の1資料として満足し得る結果を見出し得るものではないかと考え第1段階として地上部特に分げつ茎の生育経過と根数の増加状況並びに発根力との関連から有効茎と無効茎との分岐過程を明らかにせんとし1954年小麦について実験を試みた。尚不充分な点も多いが或る程度明らかにすることが出来たので取敢ず2〜3の結果を報告する。
- 日本作物学会の論文
- 1956-10-10