福岡県における水稲晩期栽培の2・3の事例
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概要
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水田に藺草,煙草,夏蔬莱などを導入し,水稲を7月末乃至8月上旬に作付する作付体系は,現在既に可なり広範囲に行われて居り,経済の進展によって今後更に拡張される可能性は多い。福岡県内に於けるこれ等の作付体系は藺草700町歩,煙草蔬菜等500町位と推足され,更に最近水稲二期作栽培が一部に実施され始めて居り,この第2回の水稲作付は8月上旬に行われる。従来7月末から作付する作付方法ではその殆んど大部分が仮植栽培法によつて来たが,仮植法は仮植から本田定植に多大の労力を必要とし,然も倍挿法一普通水田に約倍量の稲株を挿秧しておいてその半分を抜き取り,本田に定植する,一では本田と略同面積の仮植母田を必要とし,普通作稲に比較すると,本田,仮植母田併せて約20%内外の減收が普通とされている。数年前から論議され始めた晩期裁堵法は試験研究が開始されると同時に,一部農家にも展示的に実行されて来たが,略其の成果の見通しを得たので,当県では普及計画に取り上げ,昭和29年度には数ケ所の耕種改善試作圃に於てその有利なことを立証,一般農家に展示し得たのでその2,3の事例を紹介する。
- 日本作物学会の論文
- 1956-10-10