水稲根群の生育に及ぼす有機物の施用効果について

スポンサーリンク

概要

論文の詳細を見る
過去10年以上にわたって有機物をまったく施用しなかった水田に初めて生わらおよび堆厩肥を施用した場合の効果を水稲根の生育ならびに土壌理化学性の変化にもとずいて調査した。1.土壌理化学性のうち土壌強度およびEhは中干し期をのぞき有機物施用区において低かった。とくに生わら区のEhは中子し以前にすでに-150mVとなった。置換酸度,CECおよび置換性物2Mg,Caにも変化がみられた。C/N率は有機物施用区がいずれも高かった。2.水稲根の生育は生わらおよび堆厩肥の施用によって促進され,根の分布領域,分枝および活力は無施用区にまさった。しかし,生わら区では生育初期に生わらの分解による土壌の還元やチッソ飢餓の影響で根の分枝が一時的に抑制される現象が認められた。3. 2月に施用した生わらおよび堆厩肥の分解は8月下旬まで続いた。それにともなって7月,8月の土壌の還元が著しかった。また,生わらのC/N率も7〜8月に最低となった。
1980-12-25

著者

関連論文

もっと見る

スポンサーリンク