メヒシバ属植物の生理生態(第8報) : 被覆による環境の変化とメヒシバの生長及体成分

概要

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植物には,生態学的に陽生植物sunplantsと陰生植物shadeplantsとがある_<1)>。牧野氏(5)は「和名雌日芝は雄日芝に対していい,日芝は日の照る陽地に生じ頻る強壮にして萎〓せざるにより斯く称せしならん」といっている。又本種は広く耕地に繁茂し,夏期雑草の宗たるものである3)8)からしても,陽生植物である事は疑いないところである。光条件には他の環境条件特に湿度が附随してくるので,日光が陸生植物に及ぼす影響について考察するとき,日光の強度の直接影響のみを評価する事は困難である。そこで本研究もメヒシバに対する日光の直接影饗を目的としたものではなく,メヒシバが陽地と陰地とに於て如何様に生育し,またその体成分が変化するかを検討してメヒシバの生態分布を裏付し,更にその防除及び利用に役立ようとしたものである。植物が日当りのよいところと悪いところとで生長するとき,両者の間に内部形態的に,又は生理的に差異が生じて来る1)2)4)6)7)。本研究にも勿論此等の事項が注目されたが,本報に於てはこれに触れなかった。
日本作物学会の論文
1959-12-08