電子栽培の開発に望む
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概要
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電子農法は1948年我が国において開発され, 現在我が国のみにおいて活用され, 作物の栽培その他において大きな効果をあげている。しかしその理論の解明や電子処理の方法の改善及び新しい分野の開発等研究されねばならない多くの問題を残している。1.水稲をはじめ, 各種の食用作物, 特用作物, そ菜, 花き, 果樹等の作物の種子, 苗, 苗床, 本圃(田, 畑), 定植後の作物体及び潅漑水に電子処理を行なったところ, 作物体の生長, 生産物の量及び質共に良い効果が得られた。2.電子処理の作用機序については未だ十分に究明されてはいないが, electronを作物の種苗や生長体, 潅漑水や土壌に継続的にchargeすることによって累増するprotonとのballanceを是正し, 作物体の栄養や健康の保全, 環境改善効果を発揮するものと考えられる。3.比較的少量の電子処理によって大きな効果をあげている事実に対する科学的解明が, 未だ十分に究明されていない恨はあるが, 大きな効果をあげている事実は否定できない。これまでに確認された各種の効果および今後の新しい農業就中栽培の中の適用分野とその方法の作用機構の科学的解明の研究が今後の大きな研究課題となろう。これらのことが速時かつ十分に実施されることを望んでやまない。終りに, 本報文の作成にあたり, 資料の提供及び各種の便宜を与えられた日本電子農業開発中央研究所長, 内生蔵長一郎氏, 同副所長, 石原長作氏並びに北陸電子農業開発研究所長, 山本彬統氏の3氏に衷心より深謝の意を表する。
- 日本作物学会の論文
- 1974-03-16
著者
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