水稲根の物理的強度について(作物根の活力維持と肥培管理技術)
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概要
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1.水稲根の物理的強度に着目し, その栽培学的意義について研究した。2.水稲根の物理的強度の測定方法として, バネ秤による切断荷重で示す方法を考察した。3.苗の根の物理的強度には品種間差が存在し, この品種間差には, 根の断面積と根の内部形態とが関係する。(1)根の断面積(x)と根の物理的強度(y)の間には, logy/x=a+blogxという関係式が成立する(a, bは品種に固有な定数)。(2)根の内部形態では後生導管の数と繊維細胞の厚膜化程度とが, 根の物理的強度に密接に関係し, 後生導管の数が多いほど, 繊維細胞の膜厚が大であるほど, 根の物理的強度が大となる。4.転び型倒伏と根の物理的強度との関係については, 根の物理的強度が大であれば転び型倒伏が抑制され, 要素別には第10要素の根のanchoring actionが最も大きい。この第10要素の根の物理的強度を増大させるには有効分げつ限界期から30日間の排水が有効である。5.根の物理的強度は挫折型倒伏とも密接な関係を示し, 根の物理的強度の大きい品種では茎部の挫折抵抗も大きい。
- 日本作物学会の論文
- 1987-03-31
著者
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