韓国の森林土壌分類および褐色森林土壌群の性質と林木成長
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
韓国の森林土壌の分類体系を確立するため,全国の林地を対象に565個所の標準調査値を選定,調査して森林土壌分類を行い,新たに分類された褐色森林土壌型の断面形態と理化学的性質,土壌型別林木の生長関係を分析した結果,次のような結論を得た. 1)新しい土壌分類体系における褐色森林土壌群を,この群の典型的な性質をもつ褐色森林土壌亜群(B亜群)と,褐色森林土壌群から赤・黄色土壌群への移行段階的な性質をもつ赤色褐色森林土壌(rB亜群)に分類した.また,両土壌亜群を水分環境の違いによる特徴層位の発達程度,土壌構造の種類およびその発達程度,有機物層の厚さ,下層への推移の状態等によって合計六つの土壌型に分類した. 2)褐色森林土壌群の理科学性を比較すると,褐色森林土壌亜群のほうが赤色褐色森林土壌亜群に比べ液相率,透水性,有機物含量,有効態リン酸,粘土含量当たりの CEC ,交換性 Ca^<2+> 含量などが高かった.赤色系褐色森林土壌亜群は褐色森林土壌亜群よりも風化の進行した土壌であり,より貧栄養であることにより特徴づけられる.また,褐色森林土壌亜群のうち乾性の褐色森林土壌から弱湿性の褐色森林土壌型の間には土壌構造,液相率,透水性および交換性 Ca^<2+> 含量などに顕著な差がみられた. 3)林木の生長量を示す地位指数には土壌型によって差異があった.気候帯が同じであれば,乾性の褐色森林土壌型で最も生育がよいという傾向がいずれの樹種でも認められた.このことは土壌の断面形態や理科学性とも密接に関連しており,褐色森林土壌亜群をさらに土壌型に細分することの有効性を示すものである.
- 社団法人日本土壌肥料学会の論文
- 1994-10-05
著者
関連論文
- 韓国の温帯林下に生成する森林土壌の垂直分布的特性 : 韓国森林土壌の特性(第3報)
- 韓国の山地に分布する赤・黄色および暗赤色森林土壌群の性質と林木成長
- 韓国の森林土壌分類および褐色森林土壌群の性質と林木成長
- 9-35 韓国森林土壌の分類(9. 土壌生成・分類および調査)