北海道網走地方に分布するおもな火山性土壌の化学性と微量要素含量
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概要
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北海道網走地方に分布するおもな未耕地の火山性土壌について,その化学性,なかでも微量要素含量とその特徴を検討した.1)各土壌ともpH(H_2O)は微酸性のものが大部分であるが,To(豊住火山灰),Km(カムイヌプリ)-c,d(混)以外の塩基飽和度は低い傾向にある.2)各土壌とも磁性鉱物はわずかであるが,重鉱物と軽鉱物の含量には差がみられた.3)重鉱物含量と粗砂含量との間には正の相関があり, Km-5a,Ma(摩周)-f,Ta(樽前)-a,Da-l(大雪ローム)Da-p(大雪パーミス)は重鉱物含量が多い.4)可溶性の微量要素濃度をみると,Km系,Ma-f,Ta-a,Kpfl(屈斜路軽石流堆積物),Da-l,Da-pおよび黒雲母軽石流堆積物はマンガン,亜鉛,銅がともに低い.Sh-l(斜里ローム)は亜鉛濃度が低い.一方,Km-d,Sh-l,Sh-p(斜里パーミス)およびToは易還元性マンガン濃度が比較的高い.5)ホウ素は各土壌とも低濃度であった.6)Km-5aは粒径が小さくなるほど重鉱物含量が低下し,マンガン,亜鉛および銅の過塩素酸分解率は増大した.しかし,同時にアルミニウム,塩基等も増加し,可溶性亜鉛,同濃度は低下した.7)粒径組成の近似した同一起源の火山灰ではKm-5aを除いて微量要素含量や可溶性の要素濃度はあまり変わらないことが推定された.8)以上のように,本地域の火山性土壌は微酸性の土壌や礫質土壌が多く,各微量要素とも低濃度のものが多かった.
- 1985-08-05
著者
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