施肥前に於ける石灰窒素の予措的処理に依る変化(第1報)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
著者はかつて土壌による石灰窒素分解力を試験し, 相当に分解力の大なる土壌にても尚石灰窒素の500倍以上を加へざればヂシアンヂアミドを生成すべきことを報告して注意を促してゐる。然るに従来土壌のシアンアミド分解力を過大視し, 石灰窒素に僅か数倍乃至数十倍の土壌を混和放置したものを作物に施用し, 特に畑作物に悪結果を来たした例は少からず見受けるところである。尤も水稲作の場合には土壌中硝酸化成作用を必要とせず, 且水稲に対してはヂシアンヂアミドの直接害作用も殆ど認められざる故に, 予措的処理に依り単にシアンアミドの大部分を消失せしめ得ればヂシアンヂアミドの生成はその流失に依る肥料経済上の損失となるのみであるから, 石灰窒素を原肥として施用し得ざる事情ある場合に之に如何なる予措的処理を行へば追肥となし得べきかの実際的の問題が生ずるわけである。
- 一般社団法人日本土壌肥料学会の論文
- 1936-12-15
著者
関連論文
- 10.菜種油粕の肥効に關する研究(第一報)
- 菜種油粕と堆肥との混合腐熟に就て
- 内地産並支那産菜種油粕の肥効に関する研究(第一報)
- 土壌中に於けるヂシアンヂアミド並にその誘導体のアンモニア化成に及ぼす酸化還元電位の影響(日本農学会大会本会部会講演要旨)
- 根瘤菌の窒素固定機構に関するヴィルタネン氏の新説
- 施肥前に於ける石灰窒素の予措的処理に依る変化(第1報)
- 石灰窒素を追肥となす場合に於ける予措的処理法に就て
- 菜種作に対する窒素質化学肥料の施用法に就て
- 菜種の生育に及ぼす摂取窒素の形態並に土壌反応の影響(予報)
- 有機肥料の分解に依りて生ずる低級脂肪酸類 : 並に乳酸の分離定量法(補遺)
- 油粕類の製造中に於ける窒素化合物の熱変質が油粕の肥効に及ぼす影響に就て
- 有機肥料の醗酵によりて生ずる低級脂肪酸類並に乳酸の分離定量法に就て
- ヂシアンヂアミド及びグアニル尿素の肥効試験成績
- 土地利用法並処理法が土壌の飽水状態に於けるヂシアンヂアミド及グアニル尿素の分解に及ぼす影響に就て : 石灰窒素の土壌中に於ける変化第二報補遺
- 石灰窒素の土壌中に於ける変化に就て(第二報) : 特にヂシアンヂアミド及グアニル尿素(ヂシアンヂアミヂン)の分解に就て