飼料作物および牧草の光合成に関する研究 : 第4報アルファルファおよび数種の南方型飼料作物の光合成, 呼吸作用に及ぼす温度の影響

概要

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前々報に引き続いて, 南方型を主とした8草種につき, 光合成, 呼吸作用に及ぼす短時間の温度の影響を比較し, さらにある程度長期間の温度の影響をみるために, 30-50日の幼植物を用いて実験を行ない次の結果を得た. 1) 北方型のアルファルファの光合成はラジノクローバーとほぼ同じく, 10-25℃において最大値を示したが, 南方型のダリスグラス, テオシント, ローズグラス, ニューソルゴー, トウモロコシ, スーダングラスおよびケイヌビエは25-40℃において最大値を示した. 2) これに対し呼吸作用の温度に対する反応には種間に差が見られず, 0-45℃の範囲では温度の上昇に伴つて指数関数的に上昇した. 3) 上のような温度一光合成関係は, 材料植物を異なる温度(15°, 20°, 25℃の昼夜定温の人工気象室)に10日間おいた程度ではほとんど変化しなかつた. 4) 前々報の結果と合せて, 20草種の光合成の適温は北方型では低く南方型では高く, その生態的な生育適温および分布と密接な関係をもつと結論された. 5) ローズグラスおよびケイヌビエは普通の陸上植物の光合成の2倍に近い能力をもつことが見出された.
日本作物学会の論文
1965-12-25