エテホンおよびイソ尿素化合物のイネ雄性不稔に対する相乗効果
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概要
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エテホンおよびイソ尿素化合物のイネ雄性不稔剤としての適用性について品種日本晴を用い, 処理方法, 処理時期ならびに処理濃度について温室内で検討を行った. イソ尿素化合物はイネに対し不稔作用だけでなく, 穂首節間の伸長を顕著に促進する作用を示し, その効果は茎葉散布よりも水面施用においてより明確であった. エテホンの茎葉散布処理も不稔作用を示したが, 一方では穂首節間の伸長を強く抑制しその結果穂の抽出は阻害された. エテホン5000 ppm あるいはイソ尿素化合物10 kg/ha 処理はいずれも単剤では十分な不稔効果を示さなかった. しかし両薬剤は組み合わせ処理された場合明らかな相乗効果を示し, エテホン5000 ppm+イソ尿素化合物3 kg/ha, あるいはエテホン2500 ppm+イソ尿素化合物10 kg/ha 処理で95%以上の不稔効果を示した. これら処理個体は強制受粉の結果, 50%以上の稔性を示した. 両薬剤の穂首節間の伸長生長に対する正反対の作用は, 組み合わせ処理された場合互いに拮抗し, また, 止め葉葉鞘の短縮とも相まり, 出穂は正常に行われた.
- 日本作物学会の論文
- 1991-09-05
著者
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