制御環境下で水稲稈基部の温度処理が分げつの伸長に及ぼす影饗
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
水稲分げつ芽の出現伸長には温度の影響が大きく,中でも分げつ芽の分化形成する稗基部温度の影響が大きい. 制御環境下で直播栽培した水稲稗基部に3葉期から冷水(15℃),温水(33℃)を通水したシリコンチュープ巻き,部分的温度処理を行い,草型の異なる2品種間で分げつ芽の出現伸長を比較した. 結果,15℃処理で生育,出葉展開は鈍るが,分げつは順次出現した. 33℃処埋では生育は促進され出葉も早まるが,分げつの同調性は乱れ出現数も減少した. 主程8葉期に通水温を冷,温切り替えると33℃処理で出現抑制を受けてた分げつが,15℃に変り本来の対応主稗葉との同調性に関係なく遅発ながら出現してきた. また,15℃通水を33℃通水処理に切り替えた結果,その後の分げつ出現は停止した. 33℃処理による分げつの出現抑制は少げつ型品種で顕著であった. 水稲分げつ芽の出現伸長には環境温度が稲の生育の適温範囲内であるならば分げつ芽の分化着生する稗基部温度の影響が極めて強く,分げつ数の確保には比較的低い温度が効果的である. また,分げつの出現伸長の適温域も草型によって異り,少げつ型が多げつ型に比べ高い温度域での影響を強く受け,伸長生長を休止する分げつが多かった.
- 1991-03-05