レンゲの窒素固定活性におよぼす環境要因の影響
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概要
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レンゲの窒素固定活性(アセチレン還元活性)におよぼす環境要因の影響を調べ, 圃場条件下で固定される窒素量を推定した. アセチレン還元活性は湛水によって著しく抑制され通常の10%以上に減少した. 湛水状態から通常の状態にもどすと, 活性はすみやかに回復した. またアセチセン還元活性は酸素分圧の減少につれて低下し, 窒素ガス中ではまったく認められなかった. これらのことより湛水による活性の低下は主として酸素欠乏によって引き起こされるものと考えられた. 20〜30℃の温度範囲では活性に変化はなかった. 圃場条件下での活性は植物1個体当り, 日中で平均10μモル/時間, 夜間で5μモル/時間であった. 以上の結果より植物1個体によって同定される窒素量は1.26mg/日となり, レンゲの旺盛な生育期間中に固定される窒素量は栽植密度を考慮に入れ約40 kg/haと推定された. この値は水稲作に施用される窒素量の約40%に相当するものであった.
- 日本作物学会の論文
- 1987-12-05
著者
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