桑の光合成および光合成産物の転流・消費に関する研究 : 第5報 生育期間中における枝条切除後の再生長と貯蔵物質の利用
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概要
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生育期間中における桑枝条切除後の再生長におよぼす貯蔵物質の役割りを明らかにするため, 枝条切除前に同化され, 株や根に蓄積された^<14>C-光合成産物の再生長にともなう動態を迫跡した. 得られた結果の概要は次の通りである. 1. 枝条を切除した後に, 再生器官である側枝の乾物重量は増加した. いっぽう, 貯蔵器官(株および根)の重量は減少し, 枝条切除後16日目に最小値に達した. 2. 枝条切除後10日目における新梢の光合成速度は低かったが, マイナスの値は示さなかった. 枝条切除後17日目には基部から4枚目の葉で10mg, 35日目には10枚目の葉で17mgCO_2/dm^2/hrとかなり高い光合成速度が測定された. 3. 貯蔵器官中の全放射能は枝条切除後しだいに減少したが, 再生器官中の全放射能は切除後20日間は増加した. 全植物体中の放射能に対する再生器官中の放射能の比率は枝条切除後はじめの10日間は低く, 次の10日間には高くなり, その後の増加はみられなかった. 4. 枝条切除後10日間および16日間の^<14>Cについての転形率はそれぞれ0.44および0.25であった. 5. 株中の全放射能に対する80%アルコール可溶性の放射能の比率は枝条切除後一時的に増加し, その後初期の水準にもどった
- 日本作物学会の論文
- 1976-03-30
著者
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