イネにおける開花前の炭水化物の蓄積とその移行および呼吸
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概要
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1970年乾季作に国際稲研究所圃場に稲 (品種IR8) を栽培した. 開花10日前に200μCiの^<14>CO_2を4株を単位とするいくつかの群に与えた. 全^<14>C活性は開花期, 開花後7日および収かく期に測定した. でんぷんと砂糖中の^<14>C活性は開花期と収かく期にのみ測定した. 開花期と収かく期の問に6回, 圃場で呼吸として放出される^<14>CO_2を測定した. 炭水化物分画からの^<14>Cの活性の減少は呼吸による^<14>Cの放出より少く, これは呼吸によつて放出される^<14>CO_2の一部が再同化されることを示している. 栄養体から穂へ移る^<14>Cのみかけの効率は79%であつた. 非炭水化物画分は損失しないで移行したようにみえる. 炭水化物の移行効率は^<14>CO_2の再同化を考慮した場合68%, 考慮しない場合77%であつた. この効率から計算すると, 開花前蓄積炭水化物の籾炭水化物に対する貢献度合は24〜27%で, これは14%水分における籾1.9〜2.1トン/ヘクタールに相当する.
- 日本作物学会の論文
- 1972-06-25
著者
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