アミドブラック染色法のビール大麦受入検査への利用
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概要
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硫酸処理により剥皮した大麦粒をアミドブラック溶液に浸すことで, 簡単に糊粉層異常粒を判定できる方法が開発された.著者らは, 国産ビール大麦を栽培契約に基づき購入し, 製麦(麦芽製造)を行ってビール原料として使用しているが, 大麦外観による検査では, 糊粉層の異常までを検出することは困難である.このため, 時として食糧事務所による農産物検査で合格したビール大麦の中に, 製麦工程で胚乳内容物の分解不足を生じる大麦が見受けられる.1995年栃木県産大麦の中で, 殻皮の一部が剥がれた粒が散見されたが, 発芽試験には問題のなかった大麦について, アミドブラック染色法により糊粉層異常を検出したところ, 青黒く染色される粒が多量に見受けられた.著者らは現在, 同方法を実際のビール大麦受入業務に組み入れ, より良質のビール原料を入手するための手段として活用している.
- 日本作物学会の論文
- 1998-09-05