ラット三叉神経系におけるグルタメート作動性ニューロン
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概要
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中枢神経系における重要な神経伝達物質であるglutamate (GLU) およびその合成酵素であるglutaminase (GLNase) の三叉神経系における分布ならびに投射をラットを用い免疫組織化学により検討した. 三叉神経脊髄路核尾側亜核 (Sp5C) の膠様層を除く三叉神経脊髄路核および主知覚核 (Pr5) において, GLU, GLNaseの陽性構造物は均等に分布した. また, 三叉神経節, 三叉神経中脳路核 (Me5), 三叉神経運動核 (Mo5) にも陽性構造物が認められた. 咬筋神経にfluoro gold (FG) を注入し, GLNaseと蛍光二重染色したラットでは, Me5およびMo5に, FGに標識されかつGLNaseにも陽性の細胞が多く認められた. 視床のventroposterior thalamic nucleus, medial part (VPM) にFGを注入し, GLNaseと蛍光二重染色をおこなったラットでは, FG標識細胞はPr5, 三叉神経脊髄路核中間亜核 (Sp5I) およびSp5Cに認められ, その一部はGLNase陽性であった. 小脳のcrus 1 & crus 2 of the ansiform lobule (C1, C2), paramedian lobule (PM) およびuvula (UV) にFGを注入し, GLNaseと蛍光二重染色したラットでは, FG標識細胞はPr5, Sp5Iに認められ, その一部はGLNase陽性であった. VPMにfast blue (FB) をC1, C2, PMおよびUVにFGを注入したラットのPr5, Sp5Iに, FBとFGに二重標識されたニューロンは認められなかった. C1, C2, PMにFBを, UVにFGを注入したラットのPr5, Sp5Iには, FBとFGに二重標識されたニューロンが少数認められた. 以上の結果より, 三叉神経系の知覚系, 運動系および視床, 小脳への投射系において, GLUが神経伝達物質として働いている可能性が示唆される.
- 大阪歯科学会の論文
- 1991-02-25
著者
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