永久歯う蝕の罹患性傾向に関する研究 : とくに, う蝕予防処置実施校児童について
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概要
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1年生時のdef歯数, 永久歯萌出歯数および永久歯う蝕の有無の各要因が, う蝕予防プログラムとしてフッ化物歯面塗布法を実施している小学校の児童においても, 永久歯う蝕の罹患性傾向を示す指標として有用であるかを検討した. すなわち, 児童386名 (男子217名, 女子169名) を対象に, 1年生から6年生までの永久歯う蝕の罹患状況および歯年齢からみた歯種別う蝕罹患性を追跡した. 1年生時のdef歯数を4歯以下群 (Ld群), 5〜13歯群 (Md群) および14歯以上群 (Hd群) に分けたところ, 6年生時のDMFT indexはLd群<Md群≦Hd群の関係にあり, (6∣6)/(6∣6)の5歯年および<21∣12>___-の4歯年におけるDMFT rateはLd群<Md群<Hd群の関係にあった. 1年生時の永久歯萌出歯数を2歯以下群 (LN群), 3〜6歯群 (MN群) および7歯以上群 (HN群) に分けたところ, 6年生時のDMFT indexはLN群<MN群<HN群の関係にあるが, 歯年齢からみた(6∣6)/(6∣6)および<21∣12>___-のDMFT rateは各群間に明らかな関係が認られなかった. 1年生時の永久歯う蝕のない者 (LD群) およびある者 (HD群) に分けたところ, 6年生時のDMFT indexはLD群<HD群の関係にあり, (6∣6)/(6∣6)の5歯年および<21∣12>___-の4歯年におけるDMFT rateはLD群<HD群の関係にあった. さらに, 各要因の組み合わせにより1年生時に乳歯う蝕の少ない者が最も低いう蝕罹患性傾向を示し, 永久歯う蝕のある者が最も高いう蝕罹患性傾向を示すことが明らかとなった. 以上のことから, う蝕罹患状況の低い児童集団においても, 1年生時の口腔診査で得られる要因がう蝕罹患性傾向を評価できる要因であることが明らかとなった.
- 大阪歯科学会の論文
- 1990-04-25
著者
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