3D-CTと歯列3次元データの融合モデルを用いた顎変形症手術シミュレーションシステムの開発
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概要
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顎変形症患者における術後の骨格形態および歯列形態を術前に診査,予測できる三次元シミュレーションシステムを開発した.このシステムは術前に歯列模型像と顎顔面骨格像を3D-CT画像上で融合を行い,モデルサージェリーの咬合関係より術後の下顎骨の変化を予測可能とした.対象は大阪歯科大学附属病院口腔外科第1科にて手術を行った顎変形症患者12名である.CT装置はGE社製HiSpeed Advantage SG,画像の取り込みはGE社製Advantage Windows Systemを使用した.画像処理は画像処理ソフトLEXI社製ForgeおよびUNSUN社製Surfacerを用いた.歯列石膏模型のデータ採得にはUNSUN社製Surflacerを使用した.分析方法としては術前,術後予測歯列石膏模型の咬合関係をスプリットキャストプレートを介して咬合器に再現後,Surflacerにスプリットキャストプレートを使用してデ-タを採得した.その後3D-CTデータをForgeにてファイル形式を変換後,Surfacer上で再構築し,顔貌のトリミングを行い,下顎枝矢状分割術の内側骨切予定線上で遠位骨片と近位骨片に離断した.サーフェイスデータを重ね合わせ術後予測画像を作製し,正貌・側貌の下顎骨下緑の概形および近位骨片の三次元的な移動量を計測するとともに干渉郡の診査を行った.さらに,実際の手術後の3D-CT像との比較検討も行った.顔面非対称症例の術後予測は,従来のセファロ分析では不可能とされていたが,今回われわれが考案した三次元計測システムは,術後顔貌の対称性の予測に有用であることが判明した.また,歯列石膏模型を計測し,下顎骨の三次元的な移動距離を3D-CTに組み入れて,手術シミュレーションを行ったところ,臨床的に有用な方法であることが判明した.その結果,手術の立案に際し客観的かつビジュアルな術前資料を提供できることが示唆された.
- 大阪歯科学会の論文
- 2004-06-25
著者
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