多国籍企業と経済政策 : 戦略的租税政策の多様性と日本の産業再生(日本の産業と企業の再生: グローバル・パースペクティブ)
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概要
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本研究では、多国籍企業をめぐる経済政策のあり方、とりわけ国家による徴税権行使のあり方について検討する。地域連携による関税引き下げ政策と、経済特区における法人税優遇措置を具体例として取り上げる。ASEAN自由貿易地域(AFTA)、欧州連合(EU)における多国籍の企業行動をフィールド調査によって跡付けると、多国籍企業の生産・販売の連鎖が域内取引で完結していないことがわかる。また、いずれの地域においても、対中国との競争が意識されていた。中国の経済特区における外国企業に対する課税優遇措置が産業集積を生み出している事実と比較すると、日本の「構造改革特区」では、沖縄を例外として法人税優遇措置が与えられておらず、産業の再生に与える影響は限られたものとなることが予想される。日本とシンガポールとの間に「新時代経済連携協定」が締結されたが、それによって日本国内の構造改革が進むとする一部の研究者の判断は、FTAに対する過剰な期待を表したものにすぎない。
- 国際ビジネス研究学会の論文
- 2004-09-30
著者
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