捕捉結合タンパクとしてフェニトロチオン抵抗性に関与するニカメイガのカルボキシルエステラーゼ
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概要
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有機リン殺虫剤に対する感受性の異なるニカメイガ2系統幼虫のカルボキシルエステラーゼ(CE)活性とフェニトロオクソン捕捉結合活性は, フェニトロチオンに対する抵抗性比と相関関係がみられた.またニカメイガ2系統のCEのアイソザイムパターンを等電点電気泳動(IEF)で分析した結果, 抵抗性系統では単一のバンド(pI=5.2)が認められたのに対し, 感受性系統ではpI=5.2以外のバンドが複数認められ, 2系統間で明瞭な違いが認められた.抵抗性系統の単一バンド(pI=5.2)はフェニトロオクソン前処理により, IEF上での発色が抑えられ, さらにα-ナフチルアセテートはin vitroで抵抗性系統のフェニトロオクソン捕捉結合活性を阻害した.以上の結果, ニカメイガ幼虫のCEは捕捉結合タンパクとしてフェニトロチオン抵抗性に関与していると考えられた.
- 日本農薬学会の論文
- 1996-11-20
著者
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