テブフェンピラドのコイにおける吸収・分布・代謝・排泄
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概要
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テブフェンピラド〔N-(4-tert-butylbenzyl)-4-chloro-3-ethyl-1-methylpyrazole-5-carboxamide〕のコイにおける吸収・分布・代謝・排泄を検討した.^<14>C標識体濃度1.2μg/lに設定した連続流水式の飼育水中でコイを28日間暴露後, 引き続き清水中で14日間の排泄試験を行なった.全^<14>Cの生物濃縮係数は暴露7日間で平衡に達し, 最大で864倍であったが, テブフェンピラドのそれは最大でも29倍であった.全^<14>Cは主に胆嚢, 胃腸管, および肝膵臓に分布した.胆汁中にはテブフェンピラドは検出されず, 84%がβ-グルクロニダーゼ処理後, 加水分解を受けた.主要代謝反応はtert-ブチル基の水酸化, それを経由したカルボキシル基への酸化およびそれらのβ-グルクロン酸抱合化であった.全^<14>Cの排泄は速く7日目には98%以上が魚体から排泄された.以上の結果から, テブフェンピラドはコイ体内で活発に代謝を受け, 主に胆汁を経て速やかに体外へ排泄されると推察した.
- 1994-05-02
著者
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斎藤 穂高
Mitsubishi-kasei Institute Of Toxicological And Environmental Sciences
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平野 光浩
Mitsubishi-kasei Institute of Toxicological and Environmental Sciences
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茂岡 忠義
Mitsubishi-kasei Institute of Toxicological and Environmental Sciences
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