イネ体に生存する Pseudomonas glumae 細菌数の推移とイネもみ枯細菌病の発病程度との関係
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Pseudomonas glumaeの生存は, イネ苗本田移植後から最高分げつ期にかけて根, 地際部および下位葉鞘で認められた.止葉葉鞘などの上位部に生存するP. glumae細菌数は穂ばらみ期に増加し, もみに生存する細菌数は出穂期間中に著しく増加した.最高分げつ期のイネ体に生存するP. glumae細菌数が多いと, 穂ばらみ期の上位部に生存する細菌数と出穂期間中のもみに生存する細菌数の増加が著しくなり, イネもみ枯細菌病が激しく発病した.オキソリニック酸(5-ethyl-5, 8-dihydro-8-oxo[1, 3]dioxolo[4, 5-g]quinoline-7-carboxylic acid, スターナ^[○!R])の出穂期処理は, もみにおけるP. glumae細菌数の増加を抑制し, イネもみ枯細菌病に対して高い防除効果を示した.以上の結果から, イネもみ枯細菌病の発病は出穂時のもみに生存するP. glumae細菌数の増加に依存しており, もみに生存する細菌数は, 最高分げつ期のイネ体に生存する細菌数に左右される穂ばらみ期の上位部に生存する細菌数に影響を受けることが明らかとなった.
- 日本農薬学会の論文
- 1993-11-20