新規 4-ピリドン-3-カルボン酸アミド系除草剤, DLH-1777 の作用機構 : 膜脂質過酸化活性とポルフィリン類の生体内蓄積
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概要
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光要求性除草活性を有するDLH-1777の作用機構を, キュウリ子葉を用いて調べた.DLH-1777は, oxyfluorfenと同様に10μM処理によって, 光の照射下で黄化子葉からのアミノ酸の漏出を顕著に増加させ, 過酸化脂質を蓄積した.また緑化子葉への処理によって, リーフ・ディスクからのエタンの発生を誘起した.したがってDLH-1777は, 膜脂質の過酸化によって生体膜を損傷させていることが示唆された.一方, ポルフィリン生合成阻害剤であるgabaculineは, DLH-1777やoxyfluorfenの黄化子葉からのアミノ酸の漏出活性を低下させたが, 除草剤のみを処理した子葉中にはprotoporphyrin IXの異常蓄積が認められ, その量が経時的に増加することが観察された.以上のことからDLH-1777は, acifluorfenやoxyfluorfen, あるいはoxadiazonなどの光要求性除草剤と共通の作用機構を有しており, 植物体内に光増感過酸化物質であるprotoporphyrin IXを異常に蓄積させることによって, 一連の膜脂質の過酸化反応を誘起し除草活性を発現するものと推察された.
- 日本農薬学会の論文
- 1990-11-20
著者
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森島 靖雄
Research Center Daicel Chemical Industries Ltd.
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長部 広和
Research Center, Daicel Chemical Industries, Ltd.
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後藤 幸久
Research Center, Daicel Chemical Industries, Ltd.
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長部 広和
Research Center Daicel Chemical Industries Ltd.
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後藤 幸久
Research Center Daicel Chemical Industries Ltd.
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