少量散布による液剤のリンゴ樹への付着
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概要
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スピードスプレーヤにより320l/ha(少量)のフェニトロチオン乳剤希釈液をリンゴ樹に散布し, その付着分布を慣行の3200l/haと比較した.散布液にEuを加え, 散布後, 葉および葉に貼付した濾紙を原子炉中で熱中性子により放射化し, 生成した^<152>Euを定量する方法を用いた.リンゴ樹の上位葉では裏面の付着が多く, 表面に少ないが, 下位葉では逆に表面の付着が多かった.表裏合わせた付着量は上位でやや多く, 中位, 下位の順に少なくなる傾向を示した.この傾向は少量と慣行で大差がなく, 有効成分付着量でもほぼ同等であった.また, 葉に貼付した濾紙のラジオオートグラムから少量散布でもかなり均一な付着状況が認められた.化学分析によるリンゴ果実への付着量は少量散布で多かったが, 急速に減少し, 14日後には慣行と同程度の残留を示した.
- 日本農薬学会の論文
- 1984-05-20