イネ体内の白葉枯病菌に及ぼすテクロフサラム散布の影響
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概要
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イネ白葉枯病防除剤テクロフサラムの100ppm液をイネに散布して, イネ体内に存在する白葉枯病菌の菌数, および病原力に及ぼす影響を調査した.水孔接種1日前, 3日後, および病斑形成後の3時期に散布して, 散布葉と無散布葉の菌数を希釈平板法で比較した結果, いずれの散布時期でも一定の傾向が認められた.散布葉の菌数は散布2∿3日後から減少し始め, 無散布葉の菌数のほぼ10%に減少すると, その後は低い水準で推移した.散布17日, および30日後にイネから分離した菌を他のイネに接種したところ, 散布葉から得た菌はいずれも明らかに小さい病斑を形成した.この結果は, イネ体内の菌の病原力がテクロフサラムの散布によって低下し, さらにイネから分離された後もその性質を保っていることを示している.しかしながら, これらの分離菌はイネ, あるいは培地で生育することによって病原力を回復した.
- 日本農薬学会の論文
- 1980-11-20
著者
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中神 和人
三共株式会社農薬研究所
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中神 和人
Agricultural Chemicals Research Laboratories, Sankyo Co., Ltd.
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田中 治一
Agricultural Chemicals Research Laboratories, Sankyo Co., Ltd.
-
田中 治一
Agricultural Chemicals Research Laboratories Sankyo Co. Ltd.
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