「におい」と「香り」の正体, 外崎肇一著, 新書版/184頁, 700円+税, 青春出版社, 東京, 2004年5月, ISBN4-413-04093-7
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概要
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嗅覚は人間の五感のなかでもっとも原始的な感覚であるといわれる。五感のなかでもとかく忘れがちで、もっとも自覚されない感覚である。しかし、「におい」のない世界を想像すれば、誰もが嗅覚が人間の生活を実に豊かにしていることに気づくだろう。そして、嗅覚が健康で快適な生活(QOL)を送るために果たす役割は誰もが認めるところだろう。今、「におい」の研究が注目されている。あるにおいを嗅いだとき、それまで忘れていた記憶が急に蘇ってくる。においの記憶や学習は脳研究に最適なシステムである。いい匂いを嗅ぐといい気持ちになり、嫌なにおいはあらゆる精神活動の邪魔となる。人間が喜びや楽しみ、恐怖や不安、「快い、不快」と思う感情や情動の変化を研究するのに嗅覚系は手頃なシステムである。ところが、誰もが毎日嗅いでいる「におい」ではあるが、「嗅覚」の本質についてはそのほとんどが謎のまま残されているのである。
著者
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