情動と行動の制御における脳内セロトニン5-HT_<2C>受容体の役割(<パネルディスカッション>情動・行動の脳内機序に関する研究の進展)(2004年/第45回日本心身医学総会/北九州)
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概要
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セロトニン5-HT2C受容体の機能を同定するために, 5-HT_<2C>受容体ノックアウトマウス(KO)と野生群(WT)における摂食行動, 身体活動量, 体重, 不安様行動, ホルモン, エネルギー代謝を比較解析した. 3ヵ月齢でKOはWTに比べ, 摂食量と身体活動量が増加したが, 体重, 血中インスリン, レプチン濃度には差を認めず, レプチン非依存性の過食であった. KOでは活動量が増加しているにもかかわらず, 6ヵ月過ぎから内臓脂肪の蓄積を伴う体重増加が認められた. この肥満の機序には活動時の酸素消費量の低下が考えられ, 白色脂肪細胞のノルアドレナリンβ3受容体遺伝子発現の2次的な減少を伴っていた. 以上の結果から5-HT_<2C>受容体は摂食や身体活動に対し抑制的に働く機能を有し, 同受容体のシグナル伝達障害は, 摂食量と活動量の増加を呈しながら中年期に肥満を呈することが示唆された.
- 2005-06-01
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