オプション価格評価から見た低食い違い量列におけるランダム性の効果率
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概要
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収束性が高いと言われる低食い違い量列は幾つか報告されているが,その具体的な生成アルゴリズムは公表されていない.例えば一般化Faure列はその1つであるが,従来の点列を拡張したため未知の要素が増える結果となった.この部分は収束性に影響を及ぼすと考えられるにも拘わらずその選択基準はやはり明らかではないが,ある種のランダム性を与えるような仕組みを取り入れることにより確実に収束性が向上することは確認されている.一方,不確定な要素を確率項ととらえることで準モンテカルロ法では従来確立されていなかった誤差評価に利用する手法が提案されている.しかし一般的には計算負荷が非常に掛かる手続きをとるために,低食い違い量列が担う計算の効率化という本来の目的に相反する可能性がある.本論文では,収束性を高めるように元々ランダム性を与える仕組みをもった点列をその枠組みを継承しつつさらに誤差評価が可能となるように変更する.これは誤差評価に際し問題となる計算負荷の軽減に有効であると考えられる簡便な枠組みをもった点列である.この簡易的な点列の,より複雑な仕組みを持つ点列との数値計算での比較を通じて,パフォーマンスの検証を行った.収束性や計算負荷といった面から十分比較対照となり,ベンチマークとして利用可能であることが確認された.
- 社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会の論文
著者
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