脳血管障害患者における転倒・転落の危険因子 : 特に高次脳機能障害との関連性について
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概要
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【背景と目的】脳血管障害に起因する片麻痺患者が多く入院しているリハビリテーション病院では,いかに転倒・転落事故を予防するかは重要な課題である.【対象と方法】2004年1月1日から6月末日までの半年間に当院に入院していた脳血管障害患者についてのインシデント,アクシデントレポートの中で,54名,合計75件の転倒・転落事故について検討した.【結果】ベッドサイドやトイレで転倒したり尻餅をつく事例が65%を占めており,60歳代以上の高齢者に多い傾向がみられた.アセスメントスコアは危険度II,IIIと危険度の高い例が大半であった.高次脳機能検査では78%で何らかの障害を有しており,注意障害,半側空間無視,構成失行,痴呆,見当識障害,動作維持困難が多かった.左片麻痺例では,2回以上転倒・転落する比率が右片麻痺例より有意に多かった.【結語】脳血管障害患者の転倒・転落の危険因子として高次脳機能障害は重要である.
- 2005-02-01