低温肝灌流法による肝阻血後再灌流障害防止に関する実験的研究
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概要
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肝血行遮断時の低温肝灌流が再灌流後の肝循環動態, 肝酸素需給動態に及ぼす影響について実験的研究を行った.雑種成犬を用い, 60分間の全肝血行遮断を行い, 低温肝灌流の有無により非灌流群(n=8), 灌流群(n=10)の2群に分け, 再灌流後の変化を両群間で比較した.肝動脈および門脈血流量は再灌流後30分以降非灌流群では減少したのに対し, 灌流群では増加し有意差を認めた(p<0.01).肝酸素供給量は肝血流量の推移を反映して再灌流後30分以降非灌流群では減少したが, 灌流群では増加し有意差を認めた(p<0.01).肝酸素消費量は非灌流群では再灌流後30分以降増加を認めなかったが, 灌流群では増加しており有意差を認めた(解除後30分, 60分p<0.01, 120分p<0.05).以上より, 低温肝灌流法には肝温阻血後の再灌流障害による肝血流量減少を改善し, 逆に増加させることによって肝酸素供給量の増加をもたらすという利点があると考えらた.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 1995-08-01
著者
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