特発性門脈圧亢進症の循環動態 : 肝硬変症との比較
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概要
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肝硬変症では全身的循環亢進状態をともなうことが知られているが,肝障害の軽度な特発性門脈圧亢進症の循環動態についての報告は少ない.今回11例の特発性門脈圧亢進症例について,Swan-Ganzカテーテルと肝静脈カテーテル法で循環動態を測定し,肝硬変症36例,対照8例と比較検討した.特発性門脈圧亢進症例の心係数は4.46±1.16l/min/M^2,全末梢血管抵抗は1712±566dyne・sec/cm^5/M^2であり,肝硬変症例はおのおの4.57±0.98l/min/M^2,1635±458dyne・sec/cm^5/M^2で,対照例に比べて有意に循環亢進状態を示したが,両群間に有意差は認められなかった.特発性門脈圧亢進症の循環亢進状態は脾重量と相関し,内臓領域,なかでも脾血流量の増大を反映したものと考えられた.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 1985-03-01
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