幽門括約筋保存胃切除術後の残胃内容排出に関する研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
胃遠位側切除後残胃の大きさおよび幽門活約筋の温存程度が, 胃内容の排出にいかに影響するかを, 胃・十二指腸内圧の変化面より, 実験的・臨床的に検討した. その結果, 残胃が小さくなるほど内容排出は急速となり, 幽門活約筋の温存量を多くすれば内容排出は緩徐となった. 一方, 胃内圧は残胃が小さくなるほど上昇し, しかも内容負荷により著しく上昇するが, 幽門活約筋の温存によってむしろ幾分緩和された. しかし, 幽門活約筋を温存しても広範囲胃切除を行えば, 胃内圧が著しく高くなり急速な排出を示した. そこで, 幽門活約筋を温存したうえに階段上胃切除を併用して, 残胃の拡大を計ったところ, 胃内圧の上昇は軽度となり, 胃内容の急速排出が防止されたため, 臨床的に高位胃潰瘍症例に応用し満足すべき結果を得た.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
著者
関連論文
- 幽門括約筋保存胃切除術後の残胃機能 (第16回日消外総会シンポ2 括約筋温存手術術式とその機能的予後)
- 一般演題 11. SPV 後の胃粘膜 PAS 陽性物質の消長(第8回迷切研究会)
- 39 迷走神経切離後の胃壁内神経の変化(第14回日本消化器外科学会総会)
- 34 慢性腎不全患者に於ける急性胃粘膜病変と手術成績(第14回日本消化器外科学会総会)
- 99 消化性潰瘍胃術前・術後の Gastroscintigram による胃排出(第13回日本消化器外科学会総会)
- 160 食道裂孔ヘルニアの手術成績(第13回日本消化器外科学会総会)
- 幽門括約筋保存胃切除術後の残胃内容排出に関する研究
- 123. 胃切除後の食道内圧変化. : とくに胃亜全摘術後の障害について(第8回日本消化器外科学会総会)
- 134. われわれの幽門括約筋保存胃切除術の臨床成績(第5回日本消化器外科学会大会)
- 8. 高位胃潰瘍の治療方針 : 幽門括約筋保存的胃階段状切除術について(第4回日本消化器外科学会大会)
- II-19 幽門括約筋保存胃切除術の高位潰瘍治療への応用に関する研究(第6回日本消化器外科学会総会)
- III-16 幽門成形術に関する実験的研究(第3回日本消化器外科学会)
- 腸管逆回転症の 3 例