虫垂Crohn病の1例
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概要
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虫垂Crohn病はきわめてまれで, 本邦では14例が報告されているにすぎない. 今回, われわれは虫垂Crohn病の1例を経験したので報告する. 症例は42歳の男性. 腹痛を主訴に来院. 右下腹部に強い圧痛と筋性防御, Blumberg徴候を認め, 急性虫垂炎の診断にて緊急手術を行った. 虫垂は炎症性に著しく腫大しており, 後腹膜に癒着し大網に被われていた. 盲腸および終末回腸には異常はみられず, 虫垂切除術を施行した. 切除標本では, 虫垂壁は著しく肥厚しており, 粘膜面は顆粒状を呈していた. 病理組織学的には全層にわたりリンパ球集簇巣と非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認め, 虫垂Crohn病と診断された. 術後内視鏡検査にて虫垂開口部周囲盲腸粘膜に結節状隆起病変の集簇が認められた. 同部の生検ではCrohn病を示唆する所見はみられなかった. 術後6か月現在, 慎重に経過観察中である.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 2001-05-01
著者
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