胃全摘術後の骨代謝障害に関する研究
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概要
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胃全摘術後症例の骨代謝障害の病態を明らかにすることを目的として,胃全摘術後の54例を対象として,血液生化学的検査および,multiple scanning X-ray photodensitometry(MD/MS)法と,quantitative computed tomography(QCT)法を用いて骨の定量的測定を行った.胃全摘術後症例では,対照群と比べ血清Ca値の低下,血清Al-P活性値の上昇を認めた(p<0.05).血清P値は有意差はなかった.QCT法による第3腰椎骨塩量は,60歳以上の女性の87.5%で健常例に比べ低下していた.MD/MS法による骨評価の結果,骨塩量は,男性では健常例とほぼ等しかったが,60歳以上の女性の88.9%が健常例よりも低値を示し,皮質骨密度ほ男女とも高値を示した.以上より,60歳以上の女性の胃全摘術後症例では,生理的な骨萎縮が加速され,しかも,その病態は,骨軟化症よりも骨粗鬆症に近いことが示唆された.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 1992-05-01
著者
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