十二指腸潰瘍に対する選択的近位胃迷切術の transgastric myotomy 付加術式による胃壁内神経の変性・再生に関する実験的研究
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概要
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迷切術後の潰瘍再発に対して神経再生が関与している可能性を検討するために雑種成犬を用いて教室で採用している SPV+TGM モデル (n:12) を作成し, 最長4年の長期にわたり迷切術後の胃壁内神経の形態的変化を光顕および電顕にて観察するとともに胃液検査を行い減酸効果を判定した. 本研究においては, 組織形態学的に TGM 下部に神経変性・脱落が長期にわたり観察され, さらには長期経過例の TGM 上部に amputation neuroma (n:2) が認められた. これらの所見は切離された神経断端には再生能力は存在しているが, それが必ずしも適合組織への再交通とはならないことを示しており, 組織形態学的に完全な神経再生の可能性は少ないと思われる. また, 機能的にも胃液検査では減酸効果が持続していることより, 本研究で採用した SPV+TGM のような拡大術式を選択すれば機能的再生には結びつかないと考えられた.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 1991-01-01
著者
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