腸間膜平滑筋腫を併存した家族性大腸ポリポーシスの1例
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概要
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腸間膜平滑筋腫を併存した家族性大腸ポリポーシスの1例を経験した.症例は34歳の女性で,2年前に家族性大腸ポリポーシスにて全結腸直腸切除兼回腸瘻造設を受けていた.手術後17か月目に腹部腫瘤を指摘され,腫瘤摘除を試みたが単開腹に終わった.生検の結果は腸間膜の平滑筋腫であった.Gardner症候群は,消化管以外にも全胚葉由来の種々の臓器に種々の病変が併存することが知られているが,腸間膜平滑筋腫が併存することはまれである.Gardner症候群に随伴する良性腫瘍性病変の発生原因として確定的なものはないが,組織の修復機転のどこかに先天的異常があり,そのために組織の異常増殖が生じるとの推論がある.本症例では,手術操作により腸間膜に機械的刺激が加わり,組織の異常増殖が生じ,腸間膜平滑筋腫が発生した可能性が考えられる.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 1991-08-01
著者
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