胃癌切除後残胃粘膜の経時的変化に関する臨床病理学的研究
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概要
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胃癌術後の経過観察において,その残胃粘膜の変化を検討することはきわめて重要である.そこで,胃癌幽門側切除58症例の残胃を,その切離線の粘膜病態から,F-lineの口側にあるものをA群,交差するものをB群,幽門側にあるものをC群と3群に分類した.これら3群における術後の経時的な粘膜変化を,吻合部と残胃体部の内視鏡生検組織所見より検討した.1)腺窩上皮の過形成変化(吻合部)は,A群で経時的に増加した.しかし,C群では2年未満で多く認められたが,経時的に,とくに,5年以降で減少した.2)腸上皮化生変化は,どの群でも吻合部,残胃体部ともに経時的に増加の傾向を示した.また,切除時に腸上皮化生変化のない残胃にも,腸上皮化生が2年未満で出現し,2〜5年,5年以降と経過するにしたがって拡大することがわかった.3)炎症性細胞浸潤は,吻合部が残胃体部より強い傾向であったが,経時的な変化は認められなかった.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 1991-07-01
著者
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