上腹部自律神経叢切離および全迷走神経切離後の内臓血行動態および門脈血中VIP濃度に及ぼす影響に関する実験的研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
上腹部自律神経叢切離に伴う下痢の発生機構を, イヌを用いて内臓血行動態より全迷走神経切離 (以下, 幹迷切) と比較検討した. 自律神経叢切離兼幹迷切群, 自律神経叢切離単独群, および幹迷切単独群を作製し, 十二指腸, 小腸, 膵組織血流量を水素ガスクリアランス法にて, 門脈血流量を超音波トランジットタイム血流計にて測定した. さらに門脈血中 vasoactive intestinal polypeptide(以下, VIP)値を測定した. 自律神経叢切離兼幹迷切群および自律神経叢切離単独群においては, 全例に水様性下痢が発生した. 十二指腸, 小腸および門脈血流量は減少し, 膵血流量および門脈VIP値は増加した. 幹迷切単独群では, 下痢は認めなかった. 十二指腸, 小腸血流量に変化なく, 膵, 門脈血流量は減少し, 門脈血中VIP値は増加した. 以上より自律神経叢切離により内蔵血行動態の変化が認められ, 術後下痢の発生原因に関与していることが示唆された.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 1996-04-01
著者
関連論文
- 212 12多発早期胃癌の1例(第21回日本消化器外科学会総会)
- 306 噴門側残胃癌の検討(第23回日本消化器外科学会総会)
- 288 若年者胃癌の検討 : 若年者早期胃癌を中心に(第23回日本消化器外科学会総会)
- 上腹部自律神経叢切離および全迷走神経切離後の内臓血行動態および門脈血中VIP濃度に及ぼす影響に関する実験的研究
- V-43 ブタ同所性肝移植における血管吻合手技(第36回日本消化器外科学会総会)
- 131. 同所性肝移植における網内系機能の検討(第35回日本消化器外科学会総会)