残存癌巣の程度からみた他臓器浸潤食道癌治療に関する検討
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概要
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他臓器浸潤胸部食道癌切除例70例を対象として切除の意義と問題点を検討した. 絶対非治癒切除62例, 相対非治癒切除8例 (11%) で, 合併切除は18例 (26%) に行った. 積極的に切除を行ったが, 結果的に, わずかに遺残癌巣を認めた17例中10例 (59%) を合併症で失った. 死亡例の 31% (20/65例) および術後2か月以内死亡の75% (18例) が合併症死であった. 術後3か月以降の 78% は再発, 再燃による死亡であった. 残存癌巣の程度と n 因子の有無では, 生存月数に有意の相違は認めなかった. 術後2年以上生存した2例は他臓器への浸潤範囲がわずか (2cm^2 未満) であり, 合併切除を行い, 相対非治癒切除となった症例であった.対象例の 50% 生存月数は 4.5か月, 3年生存率は 3% であった.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 1989-01-01
著者
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福元 俊孝
鹿児島大学医学部第1外科
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夏越 祥次
鹿児島大学腫瘍制御・消化器外科
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吉中 平次
鹿児島大学手術部
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愛甲 孝
鹿児島大学大学院腫瘍制御学・消化器外科学
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島津 久明
鹿児島大学第一外科
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吉中 平次
鹿児島大学乳腺・内分泌外科
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喜入 厚
鹿児島大学小児外科
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馬場 政道
鹿児島大学第1外科
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田辺 元
鹿児島大学
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牟礼 洋
鹿児島大学第1外科
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榎本 稔美
鹿児島大学第1外科
-
草野 力
鹿児島大学第1外科
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福元 俊孝
鹿児島大学
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馬場 政道
鹿児島大学医学部・歯学部附属病院 手術部
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島津 久明
鹿児島大学 第1外科
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愛甲 孝
鹿児島大学
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夏越 祥次
鹿児島大学 保健学科外科分野
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喜入 厚
豊島病院
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牟礼 洋
鹿児島大学小児外科
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吉中 平次
鹿児島大学
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