フィンガーピース法で求めた血中 ICG 消失曲線の波形が示す臨床的意義
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概要
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フィンガーピース法を用いて健常肝10例, 肝硬変10例, 閉塞性黄疸5例および転移性肝癌広範囲切除例5例に対して, 血中の indocyanine green (ICG) 消失曲線を求め波形の特徴と病態との因果関係を検討した. 初期ピークの高さ (a) は機能的肝容量を反映し, 血清アルブミン (Alb) およびコリンエステラーゼ値 (ChE) と正の相関があった (Alb:r=0.341, p<0.05, ChE:r=0.715, p<0.005). 再増加ピーク (b) は門脈大循環シャントの有無を表現すると思われ, γ-グロブリンと正の相関があった (r=0.413, p<0.025). 減少部分の波形 (d/c) は血中 ICG の減少率を表現し, 採血法で求めた R15 と正の相関があった (r=0.378, p<0.025). また鋭い初期多峰性ピークと直線的な減少部分 (a≧4, b≧0.05, d/c≧0.5) を有する波形の出現率は肝硬変で有意に高かった (p<0.001). 以上のようにフィンガーピース法で求めた ICG 消失曲線の波形を解析すると, 肝障害症例における病態の質的診断が可能であった.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 1994-09-01
著者
-
保谷 芳行
東京慈恵会医科大学外科学講座消化器外科
-
藤田 哲二
東京慈恵会医科大学第三病院外科
-
桜井 健司
東京慈恵会医科大学第1外科
-
藤田 哲二
東京慈恵会医科大学外科
-
保谷 芳行
東京慈恵会医科大学附属第三病院外科
-
保谷 芳行
東京慈恵会医科大学外科
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