門脈血流変換による門脈動脈化の実験的研究 : 肝再生への影響
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概要
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イヌを用い,本来の門脈血流を維持した新しい門脈血流変換モデルで肝再生について検討した.50%肝切除群(A群:n=9)をコントロールとし門脈血流変換+50%肝切除群(B群:n=9)とを比較した.72時間後の肝重量の増加率を湿重量,乾燥重量で求めDNA合成期細胞を染色してlabeling index (L.I.)を算出し肝再生を評価した.A群では著変なかったがB群では術前,術直後および72時間後に門脈血流量/心拍出量は25.1±4.1%,46.5±5.4%,37.7±5.5%,門脈血酸素分圧は59.9±2.5mmHg,73.2±7.3mmHg,70.7±5.5mmHgと上昇した.肝の増加率は湿重量でA群76.4±10.6%,B群103.3±13.0%,乾燥重量でA群55.9±9.4%,B群57.8±9.8%であった.L.I.(おのおのn=7)はA群34.7±1.7,B群51.4±3.8で両群間に有意差を認めた.本来の門脈血流を含有した門脈血流変換モデルを使ったこの実験結果より門脈動脈化と門脈流量の増大が肝再生に促進的に作用すると考えられた.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 1994-10-01
著者
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