肛門外腫瘤脱出を呈した直腸 villous adenoma の1例
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概要
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症例は75歳の男性で,主訴は腫瘤の肛門外脱出.約3年前に腫瘤の肛門外脱出を認め近医にて直腸ポリープを指摘されるも放置していた.その後症状の増悪と肛門出血を認め当科入院.直腸指診にて肛門縁より5〜6cm,7時方向に柔らかい腫瘤を触知し,注腸透視では下部から上部直腸にかけて径約7cmで,カリフラワー様の腫瘤陰影がみられ,大腸内視鏡検査では表面が分葉し顆粒状で粘液に覆われた腫瘍を認めた.腹部CTでは直腸内腔を脳回状で内部均一な腫瘍が占居しており,endoscopic ultrasonographyでは固有筋層以深への浸潤が疑われたが,脱出した腫瘍には,潰瘍や硬結などの浸潤癌を疑わせる所見は認めなかった.重積法にて腫瘍を切除した.腫瘍は8.5×8.0cm大の広基性病変で,組織学的にはvillous adenomaであり悪性所見はみられなかった.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 1994-03-01
著者
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