潰瘍性大腸炎,家族性大腸腺腫症に対するW型回腸嚢肛門吻合術後の直腸肛門機能に関する研究
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概要
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結腸全摘,直腸粘膜切除,W型回腸嚢肛門吻合術を潰瘍性大腸炎18例,家族性大腸腺腫症3例に施行し,術後の直腸肛門機能を評価した.臨床スコアを算出し排便状態の経時的変化を評価するとともに,直腸肛門内圧検査,回腸嚢造影(pouchography)を行い以下の知見を得た.1)臨床スコアは経時的に増加改善した.2)1日排便回数は回腸瘻閉鎖後6か月,12か月,24か月でそれぞれ4.3±1.2行,3.8±1.2行,3.3±1.0行と満足のいく結果を示した.3)回腸嚢最大耐容量と1日排便回数との間に有意の逆相関が認められた.4)回腸嚢横径及び回腸嚢拡大率は正常直腸のそれらに比べ有意に高値を示し,1日排便回数との間にもそれぞれ有意の逆相関が認められた.したがって,回腸嚢の最大耐容量,横径,拡大率は術後の直腸肛門機能を良く反映し,容量,横径がともに大きなW型の回腸嚢を用いた回腸嚢肛門吻合術の有用性が示唆された.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 1990-07-01
著者
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