食道癌リンパ節の免疫応答とリンパ節郭清(<特集>第26回日消外総会シンポII : 消化器癌リンパ節応答とその郭清)

概要

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癌所属リンパ節や癌組織浸潤リンパ球は,生体防禦機構に深く関与しているといわれているが,その詳細に関しては不明の点も多い.近年,免疫学の進歩にともないTリンパ球,マクロフィージ,NK細胞,ADCC活性を担うK細胞などの癌細胞破壊機構が解明されてきた.さらにTリンパ球が,ヘルパー,サプレッサー,細胞障害性Tリンパ球などに分類され,癌細胞に対する免疫応答は,これらの細胞の相互作用により行われているといわれている.また最近では細胞融合法により,リンパ球膜抗原に対する特異性の高いモノクローナル抗体が開発され,機能の異なるリンパ球subsetの検出や分類が可能となり,担癌患者の末梢血,リンパ節,脾臓および癌局所リンパ球の免疫学的解析が試みられ,著者らも食道癌患者について検索してきた.食道癌は,特にリンパ節転移の有無が予後を大きく左右し,所属リンパ節の免疫学的役割を知ることは,現在の予防的リンパ節郭清との関連で重要と思われる.そこで食道癌を対象に郭清リンパ節の免疫応答を各種リンパ球モノクローナル抗体を用い検索し,あわせて腫瘍局所浸潤リンパ球についても観察を加え,リンパ節郭清の意義について腫瘍免疫学的な面から考察した.
一般社団法人日本消化器外科学会の論文
1986-04-01

食道癌リンパ節の免疫応答とリンパ節郭清(<特集>第26回日消外総会シンポII : 消化器癌リンパ節応答とその郭清)

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