肝硬変合併門脈圧充進症における血管造影所見よりみた血行動態および経胸食道離断術の効果に関する検討
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概要
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肝硬変合併食道胃静脈瘤症例222例の血行動態を腹部血管造影で見た左胃静脈血流方向をもとに4群 (遠位性血流群, 求肝性血流群, 両方向血流群, 血流不明群) に分類し, 食道静脈瘤発生・増大機序および経胸食道離断術の効果を検討した. 遠肝性血流群は64%を占め, 遠肝性血流群, 両方向血流群では肝機能高度障害例, 左胃静脈高度拡張例, 食道静脈瘤高度例を多く認めた. 肝機能悪化に従い左胃静脈血流は求肝性から両方向あるいは遠肝性血流に変化し, 食道静脈瘤も高度となっていくことが示唆された. 遠肝性血流群では左胃動脈径が細く, 食道静脈瘤増大因子としては胃動脈血より胃静脈血の影響が大きいと考えられた. 経胸食道離断術の食道静脈瘤に対する効果を見ると, 遠肝性血流群の8.9%に術後静脈瘤遺残を見たが, 他の血流群には遺残は見られなかった. 術後の静脈瘤遺残再発予防には食道静脈瘤以外の側副血行路を温存することが有効と考えられた.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 1997-11-01
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