重複胆嚢管を伴った壊疽性胆嚢炎の1例
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概要
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症例は48歳の男性で,嘔吐,右上腹部痛出現し,腹部超音波検査にて胆石胆嚢炎と診断された.入院の上,内視鏡的逆行性膵胆管造影(endoscopic retrograde cholangiopancreatography ; 以下,ERCPと略記)を施行した結果,総胆管および右肝管に合流する重複胆嚢管と診断し,開腹下に手術を施行した.胆嚢およびCalot三角の炎症は高度で,胆嚢頸部より造影し重複胆嚢管であることを確かめ胆嚢摘出術を行った.総胆管結石も認められたため,載石後Tチューブを留置した.一般に胆嚢管走向異常症例はA型からG型の9つに分類される.E型である重複胆嚢管に関してMEDLINE(インターネット接続)での英語文献検索を行ったところ過去の報告数は12例のみであり極めてまれである.胆嚢管の走向,合流形式には種々の異型が存在し,手術に際しては胆道損傷を避けるためにこれら異型の存在を念頭におくことを忘れてはならない.今回,ERCPが非常に有用であり術前に重複胆嚢管と診断でき,安全に手術できたので報告する.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 2004-04-01
著者
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渡辺 哲夫
渡辺胃腸科外科病院
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光岡 直志
渡辺胃腸科外科病院
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田淵 陽子
渡辺胃腸科外科病院外科
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瀬下 賢
渡辺胃腸科外科病院外科
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常光 洋輔
渡辺胃腸科外科病院外科
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渡辺 哲夫
渡辺胃腸科外科
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渡辺 哲夫
渡辺胃腸科外科病院外科
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