多発性早期胃癌に合併した悪性腹膜中皮腫の1例
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概要
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多発性早期胃癌に合併した悪性腹膜中皮腫の1例を経験したので報告する.症例は70歳の男性で,幽門前庭部に2個のI型病変,および胃角部大彎にIIa+IIc型病変の,計3か所の胃粘膜病変を認めた.生検の結果,3か所の病変はすべて腺癌であった.幽門側胃切除術を施行したが,術中所見にて,両側横隔膜下,大網,小網,横行結腸の漿膜面,および横行結腸間膜に,肥厚,硬化し,白苔を伴った結節性病変を散在性に認めた.胃癌の腹膜播種を疑い,病変の一部を生検目的で切除した.術後の病理組織診の結果,胃の3か所の病変はすべて早期胃癌であった.また腹膜播種を疑い切除した結腸間膜の病変は,高分化型の悪性腹膜中皮腫と診断された.悪性腹膜中皮腫と,胃癌などの消化器癌の腹膜播種との鑑別は肉眼的には困難であり,腹膜播種が疑われる症例であっても,腹膜病変の生検を行うことは有意義であると考えられた.
- 2004-04-01
著者
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