ポリエチレンローラの表面損傷過程
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概要
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本研究は, 高密度ポリエチレン円筒ローラ(PEローラ)とクロムめっきを施したS55C製円筒ローラの転がり試験を行い, 表面粗さパラメータの遷移に注目した表面損傷過程と疲労特性を実験により明らかにしたものである.PEローラの表面状態の遷移は, 4つの表面粗さパラメータで表現でき, 損傷状態の相違から3つの過程に分けることができる.すなわちPEローラの表面では, 最初各ローラの表面粗さの大小に関係なく圧縮塑性変形が生じ(I期), 次に各ローラの表面粗さに依存した摩耗を伴って, 鋭い凹みが部分的に生じ(II期), 最後に初期表面粗さには依存せず, 荷重に依存した摩耗を伴って, 一定の大きさの表面粗さに落ち着く傾向を示したのち, 割れが発生する(III期)3つの過程を経て表面損傷が進行する.また転動によるPEローラ表面の疲労限度は, 約10^7Paである.
- 公益社団法人精密工学会の論文
- 1982-06-05