歯車の回転振動に関する研究(第2報) : 実測した伝達誤差に基づく回転振動のシミュレーション
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概要
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歯車の回転振動の要因を伝達誤差と歯面摩擦にあるとして、アナログ計算機によって回転振動のシミュレーションを実施した。その際、歯は剛体とみなし、歯面は常に接触しているものと仮定した。このシミュレーションによって合成した振動波形を、実験による振動波形と比較した結果、速度範囲60rpmから780rpmの間にわたって、両波形は細部に至るまで正確に一致していることが明らかになった。一連のシミュレーションと実験の結果によると、振動波形は次のような三つの成分からなっていることが明らかになった。すなわち、(a)伝達誤差εの時間に関する1次微分に比例するものaε、(b)歯面の摩擦によって生ずるトルク変動ΔT_f、および、(C)伝達誤差の2次微分に比例するものcε、の三つである。第1と第2の成分は、歯車系の固有振動数よりも低いかみあい周波数を与える速度領域において大きく現れ、第3の成分は、それよりも高い速度において振動波形の大部分を占めることが明らかとなった。
- 公益社団法人精密工学会の論文
- 1981-05-05
著者
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